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自分らしさを出すという事
- MSD 振付
- 2021年12月28日
- 読了時間: 4分
『何が何でも [自分]を出さなきゃいけない??』
「オリジナリティー」と「自分を出す事」をゴッチャにしてませんか?
この2つは同じではないと気付きましょう。
ゴッチャに考えてしまうと、結局、自分を出せない、に陥る(囚われる)事があります。
あげく、変なことに走ってしまうと、キワモノの使い捨て扱いに . . .
「変わった事、新しい事、やったでしょう!」自己満足のシーンもいくつも見てしまいました。
取り組み方がまっすぐなら観客に良く届きます。
以下の例から考えてみましょう・・・
我々に入るご依頼には、色々な要望があります。
我々は、パーティやイベントの内容・行われる場所・客層・季節・時間などを考慮して、人選(キャスト)と、どのようなショーにするかを考えて提案します。
すなわち、コンセプト・構成・選曲・振付・衣装・小道具等々を注文に合うよう考える。
ある屋外ショー。1カ月公演の仕事でした。
屋外である事と、カジュアルな雰囲気と客層から
・場にあった気軽な楽しさと、
・ ちょっとだけ豪華さを加えたショーを作り、1カ月の公演仕事を納めました。
そのVTRを、知人夫婦が見たとき、
妻は「難しい場所をうまく使ってるね。お客さんたち楽しそう」
夫のほうは「君たちが、なにがしたいか、わからない」
彼は当時、大ヒットを飛ばしていました。急にチヤホヤされだした状況だったわけです。
後年、「そんな事 言ったっけ・・・ごめん、調子に乗ってたんだな」
素直に白状したので許してあげました。
当時の彼をフォローすると、
ずっとヒットしなかった自分たちだが「自分たちの」音楽でヒットした。
彼は「なぜもっと自分たちを出さないのだ?」と言いたかったのでしょう。
なんでも&誰でもを、彼は自分たちに当てはめて考えていたのでした。
我々ショーマンは、
事務所所属なら事務所の意向に従います。
舞台公演なら筋書きや演出家が居ますし、
ピンで無所属(フリーランス)で単発現場なら 依頼者の意向に向かいます。
それらを 建築で例えれば・・・
先の大ヒットバンドは、
「買い手がいないけど勝手に家を自分たち好みに目立つよう設計し、気に入った人が買ってくれるだろう」と売れるのを待つデザイナー。
実際のところ使いにくい店ばかり作るデザイナーを知ってます。(依頼者もデザイナーの名を借るナントカ。なのでそこは構わないのでしょうが、客の立場から見れば、格好ばかりで中身は薄く、意心地も良くない . . .なんてことはあるあるでした)
我々の仕事は、注文建築
注文主(イベンターやクライアント)の思い・希望が先にある。
”このアーティストなら希望通りにしてくれるだろう” と言う期待を叶えて差し上げます。我々は気ままに作る事はない。自分を売る目的に凝り固まったモノを作っても、果たして現場で どうだろうか?
(バンドは、そこを分かってなかったので、冷たく分かったようなコメントをしたのです)
《ショーは 気付きと気配りのある芸術です》
ショーを作る時は、その現場にいるお客様を思い浮かべます。
ファミリー向けと、大人向けは完全に内容が違います。
季節外れな中身(内容・衣装)はNG。
場所のムードや格にふさわしいことも大切。
禅宗の僧の言葉を紹介します
「悟れる自分になりたいばかりではダメ。我を捨てて、心から素直にお経の言葉に惚れ惚れしているとき、
自分を超えた何かが現れます」
我々に置き換えると・・・
「自分らしさを出そう、ださなくては!と凝り固まってるうちはダメ。
オリジナリティーは ” 素直に観客を思い浮かべることから生まれる。
音楽を もらさず聴こうとするのと、聴き流すのが違うように ”」
音楽を聴けてない人が目に付くようになって20年は経ちます。
聞いてるつもり、だった . . .そんな自分に気付くまで聴く。
いわば「たったそれだけの努力」をする人になる能力。
自分が、個性が、と必死にオリジナリティーを作ろうとしてるうちはできません、ということでしょう。
本当のオリジナリティーは、自分を超えたところにあると思います。
MSDのポリシー
「大切なことはいつもシンプル」
わかってない人たちは大切なことは難しいと決め込んでます。
しかし、そうではない。
仕事は向く方向次第です。どちらを向いて仕事をするか
あなたの心がどこを向いてるか?です。
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