夏は特に!「ミネラル不足が筋肉けいれんや、熱中症を引き起こす」ミネラルの基礎勉強
- MSD 栄養部
- 2024年6月21日
- 読了時間: 7分
ミネラルを覚えよう!⑴ ①〜④
「ミネラル」を知って、
より良いパフォーマンスやレッスンに耐える良いプロ身体に整えよう!
ミネラル mineral 「鉱物」エナジー代謝に欠かせない
(先日の ビタミンB群の勉強会 で説明したように、)
「食後からエナジーを作る代謝にビタミンが欠かせない」
ミネラルも同じ。
我々の食物は、地球の恵みです。
河川や海へもミネラルは流れ込み、魚介類も海藻も、植物や果物も、
そこに生きる生き物たちが、ミネラルを持つ。
人体を構成するのは
96%が 酸素・炭素・水素・窒素。
4% が ミネラル。
汗がショッパイのも、血が鉄さびっぽい味がするのもミネラルです。
1日に必要なミネラル量は、ビタミンより少なくて良い。
ミネラルは、ほんの微量で良いのですが、
不足させるとビタミン同様に [欠乏症] が表れます。
欠乏症チェック① 亜鉛
:味が分からない、 濃い濃い味付けが平気、ちょっとしたキズでも治りにくい、脱毛がひどい、女性は生理が飛ぶか止まる、肌に問題がある、爪にホシが出ている など。
「亜鉛 Zn」 はスーパーミネラルの1つ
Znは、我々の体内での「100種類以上の酵素に含まれる必須元素」!
Zn 説明:タンパク質・糖質・脂質 3大栄養素の代謝に関与している。
細胞分裂に不可欠。(ひふ、骨格、味覚、生殖器官の発達と維持)

脳の機能を活性化。
男:11〜12mg / 日 女:10〜 9mg / 日
Zn 多い食べ物: 牡蠣、牛モモ赤身肉、ホタテ、ウナギ、豚モモ肉、えんどう豆


注意1:せっかくの「Znを排出してしまうもの」
インスタント、レトルト、加工品(練り物系と出来合い)、アルコール、
添加物(リン酸・メタリン酸など)。高血圧の薬、胃酸過多の薬 など
欠乏症チェック② 「鉄分 Fe」
:息切れや動悸が過ぎる、疲労感が多め、たちくらみ、無力感、食欲不振、口角がただれる、感染症にかかりやすい など
Fe 説明:成人男性の体内には鉄Fe は4〜5gもあります。女性はその70%。
ヒトの体内のFeは2パターンあり;
❶ 貯蔵鉄
体内鉄の60〜70%が血の中にヘモグロビン(赤色タンパク質)として在り、20〜30%がタンパク質とくっついて肝臓・骨髄・脾臓にkeepされている。
❷ 機能鉄
赤血球のヘモグロビンの成分になって酸素 O2とくっつく→体内の全細胞へ酸素を運ぶ。1部の機能Feは、筋肉中にミオグロビンとしてスタンバイし、酸素 O2をkeepして、脾臓やヘモグロビンに不足が出たら、血中へ出て補う。
男:10mg / 日
女:12mg Feは原則、最低1mg / 日を補充すれば欠乏症にはならない理屈。
Fe 鉄 多い食べ物:
ヘム鉄 → 鮎の内臓、しじみ、赤貝、あさり、ホタテ、タコ、ハマグリ、牡蠣、全卵、レバー類
非ヘム鉄 → ヒジキ、川のり、ゴマ、くるみ、プルーン、千葉ピーナツ、ほうれん草、モズク、とうふ、こんにゃく など

注意1: 鉄分には「ヘム鉄」「非ヘム鉄」の別がある。
体内での吸収率がよいのは動物性の「ヘム鉄」
サプリメントもヘム鉄です。
注意2: 吸収率を上げる為に「ビタミンCと一緒に」
注意3:「タンニンは、鉄の吸収を邪魔する」牡蠣の食後には緑茶を飲まないように。 緑茶や紅茶で ヘム鉄サプリメントを飲まない事。
注意4:C型肝炎患者は6mg以下にFeを控える事。(これは医師から言われるはず)
どうしても牡蠣を食べたい患者はカテキンを利用。苦〜い緑茶と一緒に食べる方法を取る(ただし、医師に要確認)
ちなみに「鉄」の大きなこぼれ話 (栄養学以外で)
「鉄」は地球にも不可欠!
・鉄は地球の質量の3分の1を占めている。
・地球内部の磁場が地球上の磁力線を作り、宇宙線や太陽線を跳ね返してくれている=生物が存在できる環境に保てる。
・鉄が磁石となる所に電気ができる。
・鉄とコークスで産業革命が起こった。
地球上の生物は、鉄がなくては生きられません。
・細胞は酸素O2が絶対に必要です。O2を全身の細胞へ運んでくれるのは、血中のヘモグロビン。(脊椎動物の赤血球に含まれる鉄を含む色素・ヘム とタンパク質・グロビン)とからなる複合タンパク質)
・プランクトンも鉄がなくては栄養を利用できない。
鉄さまさまですね。
ちなみに2
・純鉄 99.9989% は錆びない。
・「超電導」➖277℃で電気抵抗がゼロになる=磁性が無くなる(浮き上がる)
送電ロスがない、という事になるそうです。(昔は、鉄は磁性が強いので、超電導はあり得ないと考えられていた)人は ー277℃では生存できませんが、咄嗟の行動や閃きは、まさに「電光石火」十分な速度ですよね!
欠乏症チェック③ 「カルシウムCa」欠乏症
:集中力低下を感じる、すぐイライラする、すぐ筋肉がつる、毎度の頭痛、骨密度が少ない、老人性痴呆症 熱中症 など
Ca 説明:ご存知、骨と歯の原材料。
体内のCa量は1.5〜2%(体重60kgならCa量は1kg)。
ヒトの体内のCaも 2パターンある
❶ 99% 貯蔵カルシウム 骨と歯の形成(貯蔵できるピークは30歳と言われる。しっかり食べてキープしておこう!しかし、年配でも運動する人や日常的にジャコやいりこを食べてる60台半ばの女性の骨密度が100%だった)
❷ 1% 機能カルシウム これがスゴイ!!
カルシウムといえば「ホネ」としか思わない人は驚くかも!
細胞分裂&増殖と分化に関与。
骨格筋や平滑筋の収縮(これが正常でないから つる)
感覚細胞や神経細胞の興奮
血液凝固
精神安定
男女共に:700mg / 日
Ca カルシウム 多い食べ物:

スキムミルク・チーズ・ヨーグルト(Ca豊富3大食品)、昆布、ひじき、
桜エビ(必ず無着色!)、しらす、国産大豆(豆腐・こうや豆腐・湯葉・納豆も)、モロヘイヤ、アーモンド、紫蘇、小松菜、インゲン豆、うなぎ、ハマグリ、しじみ、青梗菜、牡蠣、くるみ、穴子、小豆(粒まま)、あさり、毛がに、枝豆、キヌサヤ、こんにゃく、
ゴボウ、カレイ、ねぎ、大根、れんこん、オレンジ、ひらめ など
朝は活動の為に。夜は体内整えの為に 各自でメニューを組んでみよう!
注意1:牛乳は良い。ただし「乳たんぱくCBPを添加した乳製品」には、ちょっと注意を。 「CBPは過剰な摂取をしないこと!」良いからと言って、過ぎるのは足りないより悪い。
欠乏症チェック④ 「マグネシウムMg欠乏症」
:筋肉がうっすら震えてる、気分が冴えない、イライラしやすい、筋肉がけいれんする、不安感、神経過敏症、虚血性心疾患、心筋梗塞、くよくよ塞ぎ込みやすい など
Mg 説明: Mgもスーパーミネラル!
なんと、生体内の300以上の酵素反応に関係!
(例えれば、1人で300社以上の営業や経営に関わっているウルトラスキルの社員)
Mgは
人体の骨中に60%・筋肉中に20%・血中に1%以下 含まれています。
MgとCaはベストバランスがある Mg 1:Ca2〜3(コレが崩れると熱中症)
エナジー産生・タンパク質合成(栄養をヒト用に組み替え。新陳代謝)・神経伝達・筋肉収縮・血圧調節・神経興奮の抑制・ストレスに抵抗する など
男:390mg / 日 女:250mg / 日
マグネシウム Mg 多い食べ物
:玄米、千葉ピーナツ、ゴマ、納豆、桜エビ(国産で無着色)、牡蠣、生姜
『Mgは 必ずCaをセットする』覚えておきましょう!

欠乏症チェック⑤ 「リンの欠乏症」
疲労感、神経興奮の低下、筋肉が弱る、発育不全、骨歯の発育障害、骨軟化症 てんかん
さらに
「リンは過剰摂取も大NG!」
Ca吸収のバランスが崩れる → Caが吸収されなくなる
→ 結果、欠乏症と同じ症状が出てしまう
P1: Ca1 が良いバランス。
Caのバランスが悪い理由で、「骨の代謝」が障害されたり、
甲状腺機能亢進にもなってしまうと厄介です(甲状腺ホルモンが過剰に分泌され,動悸ふるえ多汗体重減少などを呈する状態。バセドー病が代表的)
日本の問題
日本では、リン酸が添加物として、異常なくらい使われている。
従って、過剰摂取の方がよくある。
注意して生きよう!(コンビニやスーパーで加工品をチェックしてみよう)
リンP 説明:
体重の1%。その内80〜85%が Caとくっついて リン酸カルシウムになる
→骨歯の主成分に。
・リン脂質として細胞膜を構成する。
・核酸、リンたんぱく質として細胞の構成成分と成る。
・糖質・脂質・タンパク質の代謝反応に関与。
・補酵素(NAD FAD)の構成成分としてエナジー代謝を促進して、クレアチンリン酸としてエナジーを貯蔵する。
いろいろな食べ物に含まれてます:
特に多いのは 田作り、きびなご、するめ、小麦胚芽
加工品(スーパーでパッケージ裏を見れば分かる)
干した魚(干物)は Pだけでなく、プリン体も多い。だから旨み、ではありますが、それらは しょっちゅう食べるものではないとわかりますね。(プリン体は高尿酸血症と痛風の原因)
勉強した方が得ですね。
パンやパスタよりも玄米をオススメします!
(ミネラル次号へ続く)
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