プロとして体調管理の栄養学・アミノ酸とタンパク質①「必須アミノ酸」
- MSD 栄養部
- 2019年4月18日
- 読了時間: 4分
更新日:4月3日
プロとしての体調管理の栄養学
アミノ酸とタンパク質
基礎
・蛋白質はヒトの全身を構成している
つまり、人のカラダはほとんど(1 )で作られている。
・アミノ酸は20種類あり、結合の組み合わせによって無数の蛋白質が作られる。
・蛋白質は、正常な生体反応の代謝に不可欠な「酵素」になる。
蛋白質は学校で習う3大(又は5大)栄養素の1つ
糖質(炭水化物)
脂質
蛋白質 (+ビタミン&ミネラル)
目、関節の周辺組織、筋肉、内臓、皮膚、爪、体毛と体内の酵素の材料です。
食べるべき蛋白質の知恵と注意点
主な蛋白質源は: 魚・肉・卵と(2 )と(3 )
アミノ酸スコア
すでに代謝のテキスト記事で学んだように、
「我々が飲食したものが そのまま各自の(4 )になるわけではない」
「代謝」というプロセスは
「食物をパーツにバラされ、組み替えられて人体に使えるカタチ」に変換してもらえるから、我々が在る
その身体蛋白合成に効率が良い食品を点数化した
アミノ酸スコア
100点満点 鶏胸肉、ササミ、魚、牛赤身肉、豚赤身肉、全卵
99〜80点 チーズ、大豆、えび、あさり
70点〜 イカ
60点〜 米、ジャガイモ
50点〜 ほうれん草、みかん
40点〜 小麦粉、トマト
30点〜 トウモロコシ
(手元のデータにはないが、蕎麦粉は小麦粉よりも蛋白質が多いのでアレルギー患者には要注意(5 )が塞がってしまうと窒息! )
1、アミノ酸(タンパク質)2、乳製品 3、大豆製品 4、身体 5、気道

食べなくてはいけない蛋白質=必須アミノ酸
蛋白質には、人体で合成できる 非必須アミノ酸と
人体では合成できない 必須アミノ酸がある
必須アミノ酸は必食!
アスリートが大好き「BCAA」
必須アミノ酸の3トップ=バリン・ロイシン(6 )。
身体運動のプロがBCAAを求める理由
① BCAAをトレーニング30分前に摂取しておくと、ハードトレでも筋肉ダメージを抑えつつ、筋トレが可能。
② 体熱を産むので体温が早く上がり→脂肪燃焼のスタートも早まる。
③ 持久力・集中力UP
(巷でもBCAAドリンクが販売されているように、アスリートやスポーツパーソンには欠かせない栄養素です)
BCAAが多い食品 (100g中の多い順)
・バリン
かつお節(4400mg)、凍り豆腐(2900mg)、湯葉(2800mg)、スキムミルク(2100mg)、大豆(1800mg)
・ロイシン
スキムミルク(3300mg)、チーズ(2500mg)、鶏胸肉(1900mg)、鶏・牛レバー(1800mg)
・イソロイシン
スキムミルク(1800mg)、鶏胸肉(1200mg)、すじこ(1600mg)、チーズ(1400mg)
大豆が濃厚になった湯葉や凍り豆腐と、乳が濃縮されたチーズは高BCAA。

ただし!
蛋白質の食べ方の注意
① 1度に大量に摂っても吸収されない
食べ過ぎれば 体脂肪化
粉プロテインを牛乳に溶かしてガブ飲みする男子学生が見られるが、ほとんどムダ。筋肉を早く付けたいなら、少量を小まめに
② BCAAはバランスを崩すと悪いことが起こる
・ロイシン過剰症:免疫機能の低下
・イソロイシン過剰症:バランスを崩すと体重低下(良くない体重減は喜べない)
必須アミノ酸の6メンバーズと 各はたらき&食品
BCAA、リジン、スレオニン、ヒスチジン、トリプトファン、
芳香族アミノ酸(フェニルアラニン+チロシン)、
含硫アミノ酸(メチオニン+シスチン)
*フェニルアラニンとメチオニンは一部をチロシン、シスチンで代替し合成可。
1 リジン
・体組織の修復&成長
・抗体・ホルモン・酵素を作る
・肝臓の機能UP
・ブドウ糖代謝を促進→ 疲れを取る、集中力UP
鶏胸肉、豚肉、牛赤身、いわし、ブリ
欠乏症:疲労感、めまい、吐き気、貧血、肝機能低下

2 スレオニン
・脂肪肝を防ぐ
・成長を促す(白米食にはリジン&スレオニンが必要)
湯葉、しらす、ゼラチン、大豆、まぐろ
欠乏症:脂肪肝、成長阻害、貧血、食欲不振、体重減
3 トリプトファン
・セロトニンを作る→鎮痛、催眠、精神安定、免疫系へ働きかける→抗ガン心臓病に有効。( B6、ナイアシン、Mgと共に摂ると良い)
・コレステロール値のと血圧のコントロール
・性的能力UP
・更年期障害を減らす
凍り豆腐、湯葉、かつお節、スキムミルク、大豆
注意:肝硬変患者にはトリプトファンとチロシンを減らすこと。
4 フェニルアラニン
・水酸化されてチロシンとなる → ドーパミン、エピネフリン(アドレナリン)、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)を生成する。
・血圧を上げる
かつお節、湯葉、大豆、きな粉、スキムミルク
注意:高血圧、心臓病、妊婦は避けたほうが良い
過剰症:高血圧、心臓病
5 メチオニン
・血中ヒスタミン濃度を下げる。ヒスタミンはアレルギー反応でおなじみになった。普段は不活性だが、ケガや薬で活性化すると血管拡張し、かゆみ、痛みになる。
・抑うつ症や総合失調症を改善する事もある。
かつお節、しらす、湯葉、海苔、スキムミルク
欠乏症:動物テストではコレステロール沈着、動脈硬化、抜け毛
6 ヒスチジン
・子供の成長に必要
・体内でヒスタミンを合成する
・胃酸分泌
・脳神経機能に関与
・慢性関節炎やストレス症を緩和
かつお節、本マグロ赤身、カツオ、かじき、ブリ
注意:時間が経った魚、古い魚を食べないこと!ひものも実は危険。
ヒスタミン中毒になり発赤・頭痛で倒れた例がある。
魚に多いヒスタミンが時間経過でヒスチジンに変化する為に起きる

MSD 栄養学もプロの大事
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