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浮世絵 雪と美女たち UKIYO-E BEUTIES & SNOW

美人たちの着物が雪に映えます The kimonos of the beauties shine in the snow


広重の二人の芸者が素足なのは、辰巳芸者の心意気なの

彼女たちは「芸は売っても身は売らぬ」

気風の良さが、日本場所の大店の旦那衆に人気でした



Hiroshige's two geisha are barefoot, which is the spirit of Tatsumi geisha

They professed that they would sell their art but not their bodies

Their good spirit was popular with the owners of the large store in Japan Bridge


深川は江戸城の辰巳方位にありました

ゆえに、辰巳芸者と呼ばれた彼女たちは、意気と気風の良さが売りでした

男の羽織を、しかも、黒羽織がトレードマークでしたから、羽織芸者と呼ばれたのね

「あの、羽織も男嫌いさ、おか(岡)惚れしたってダメさ」

おかぼれとは、傍(岡)目八目の「おか」と同じ「関係者以外」の意味があります「片想い」の事ね

辰巳芸者は、[男にクネクネしない、かわい子ぶらない、ベタベタ甘えない]

スパッとしたところが、日本橋の豪商旦那たちにウケたそう

(わざとらしく甘えないから 小気味よかったでしょうね)


Fukagawa was located in the direction of Tatsumi in Edo Castle

Therefore, they were called Tatsumi geisha, and their good spirit was their selling point

They wore men's haori

Moreover, the black haori is a trademark. It was different from the Yoshiwara geisha, who wore gorgeous colors.

Tatsumi's geisha were also called haori geisha


しかし、男言葉で話し、男嫌いと見せたって、恋心は ちゃんとありました  人間だもの

その恋心は一途

どんな客にも靡かないのは、心に決めた男がいたから・・・という 胸キュン話は、小唄や江戸落語にもあるんよ

However, even if you speak in a man's language and show that you hate men, you have a crush on him, and he is a human being.

The love is unremitting

The reason why they don't respond to any good customer persuasion is because they had a man they liked.

They also became material for kabuki, historical dramas, and rakugo.


小唄なら「腕守り」

説明の前に、まず、起請 KI-SHO をわかってね

 [神仏に誓いを立て,それにそむかぬことを宣言すること]


仏教の僧による、例えば、法然師匠の一枚起請文は、知恩院境内にて見られます(立札)

起請文は(町の恋人たちでなく)色町においては、遊女と客の間に交わされることが多い [ 愛の宣言書] ですね

「お前だけだ」=浮気は無い!の約束証文みたいなものだったようです

その紙を折って、二の腕に巻いて「腕守り」とするのが、芸者に流行ったそうです

今のミサンガ的な感じ?

二の腕なら、他者は気づきません

密かに熱い思いを身に付けて、座敷を勤めたのです

腕守りは、彼女たちに心強かったと思います

そういう想像を抱いて、わたくしは振付ました

腕守りは、お稽古が進んだお弟子に教えます


昔は年齢によって、着物も化粧も決められてました(バカバカしい)

芸者は、20歳超えても(と言いますか、20歳くらいでは、芸もまだまだなのにね)眉も落とさず、島田髷、オハグロもつけない

 [ バージンの姿 ] で座敷を務めることが約束でした

昔は結婚年齢は10代と早く、結婚まではバージンが当たり前とされました

まともな芸者は売春はしませんが、客は男ばかりですから、

 恋人にとっては、落ち着かなかったでしょうね

ヤキモチは無意味!と教えるためにも、起請文は便利だったのかしら?


落語は、題は覚えてませんが、登場人物は、

腕の良さで知られた船頭さんと、

辰巳の売れっ妓姉さんと、ご贔屓の旦那

芸者を連れてお出かけ遊びに行った旦那は、帰りに何か用事?ができたかで、芸者一人で先に座敷へ行かしたと思います

屋根舟は女一人で乗せないルールがあったそうですが

旦那は「男嫌いと、信用できる船頭なら心配はない」


まもなく雷雨

雨をやり過ごすため、一旦、もやいます

若い船頭は、芸者と二人の状態に気が咎めています

その上、思わぬ告白を、受けることになるのです

そして二人は・・・(続きは、落語で ぜひ)



「客に売るのは芸だけ!」の心意気は、

[菅許の吉原 ] 以外の、まともな芸者には必要でした


吉原内は、遊女と芸者は別の職業として定められていましたので、ゴッチャにするバカな客はいなかったわけですが・・・


ご存知のように、芸は簡単に身につきません

また、何かが ちょいとできたからって完成ではない

芸は一生

[習得には終わりはない、一生かかるし、そうする価値がある] という諺です


ひたむきな人なら一々「自分は努力してる」と思わないものですが、「努力」を積み重ねる人が、中身もプロフェッショナルに昇格するのだと思います


しかーし、横着な者は 古今東西 いるもので、

かの辰巳にさえ、裏切り者(売春する女)が出たそう

芸を習得する努力をバカにしたのならバチが当たります

噂はあっという間に広がり、ソレ目当ての男どもが集まった日にゃ、真の辰巳は怒り心頭だったでしょう

幕府による一斉摘発もあり、真に辰巳だった姐さんたちは、柳橋へ河岸を変えたそうです

(売春したニセ芸者らは、ペナルティで吉原の最下層の遊女屋へ送られた・・・すごい法律でしたが、芸道を貶めたのですから、身から出たサビ・・・バチが当たったということでしょう)


広重の絵の姐さん達の、グッと褄をつかんでからげた様子からは、気風よく、良い日々を送っているように思われて

いい絵やわぁ と良い気分になるのです

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