盛夏の着物は大人の特権 USU-MONO for adult women kimono
日本舞踊 実乃鈴の着物はなし
「盛夏の着物は大人の特権よ!」
薄物 usumoo 透ける織物で仕立てた着物や羽織です
薄物は30歳以下は無理に着ても似合いません
粋筋でない一般の女性(素人さん)でしたら30後半以降からが 似合い始めますね(芸妓なら30前後でも粋筋なのでOK。伝統芸能界も粋筋)
着物の魅力は 人間キャリアかな
30歳以下の女の子たちは「薄物が似合う大人になってみせる」と思ってね!
いろんな事をお勉強して(あんまりでない体験を願います)、
痛みも喜びも、負けなかったことも身につけて、
素敵なおしゃべりが出来るお友達を、いっぱい作ってね。
そして、盛夏をものともしない元気さで、いつか薄物をまとい、
年下の子たちから「憧れます!」と言われてね!
大人の女性のみなさま、盛夏に薄物デビューなさってはいかが?
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四季美人図 薄物と透ける団扇。
この芸者の肌や、着物の袖あたりの着しわと帯に色香が。
薄物の種類
羅(ら) 薄く織った絹布の総称
紗(しゃ)織り目が粗く,薄くて軽い。
生糸を用いた搦(から)み織りの1つ。2本のたて糸が、よこ糸1本ごとにからみ合う織物。夏の衣服地
絽(ろ)涼感がある盛夏用
からみ織りの一種。たて糸とよこ糸をからませて透き目を作った絹織物。
紅梅織り(勾配織り) 夏の着尺用。紅梅
細い糸の間に太い糸を織り込んで,布の表面に縦横、又は 格子状の凹凸をあらわした薄手の織物。
薄物 Usu-Mono
; transparent (see-through) KIMONO or HAORI made of light cloth [fabric, material]
・羅 La ; a generic name of transparent (see-through) silk fabric
・紗 Sha ; silk gauze
・絽 Lo ; high quality silk gauze (used for making kimonos for high summer)
・紅梅織り Koh-bai-oli/ ori
; lattice like unevenness transparent (see-through) fabric
白の綿紅梅でお稽古
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選び方
きちんとした場へ出席されるなら、伝統のシルク製が最高です
絹着物の注意点① 「夏物は1日着たら必ずスグ丸洗いに!」
(汗かきでなくても)放置すると 汗が移った部分の色あせ・色抜けなどロクなことがないです。余計に処理代がかかります!
絹着物の注意点②「紫外線にあたらないでー!」
日焼けはお肌だけでなく、絹着物もダメージが大きい。
特に、温暖化になって以降、紫外線がヒドくなってます。
「10年前は、こんなにキツくなかったよねぇ」親友との10年前の会話です
シルク着物の場合は色ヤケ。紫外線にあたったエリアが色あせます。
*綿紅梅は扱い良く、自宅でお洗濯もできます。シワ伸ばして干してね
・洗う面だけで見れば、ポリエステルはジャブジャブ洗えます。(うちでは丸洗いの、と呼びます。丸ごと洗える意)
安価(注意:デパートのうすもの羽織は、ポリなのに4万円!?「無い」)
ポリは、汗する夏にはピッタリ。紫外線劣化もしません。汗にもビクともしない。元が石油だから?
ただし、ポリエステルは暑いです。
いくら紗でも暑さがこもる・・・元が石油だから??
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哥麿『茶屋で涼める三人の女』
黒絣の立位美人は「薄物」下の赤い長襦袢が透けていますね。
東京で、綿だけで着物を作る有名なとこあり。薄物ではないですが、竺仙のゆかたはクオリティが良いのでルックスも良い。夏着物としても着られます。
お値段は5万円前後〜10万代まで様々。反物がシーズンオフに残っていたら割引で買えるかも。翌年用に仕立てるのもありです
鳥文斎栄之『蛍狩り』
シモテから2人めが黒の薄物。彼女の姿は、完璧な日本舞踊の美意識の型
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鳥居清長「四條河原夕涼躰」
センターとシモテの立つお姐さんが黒地の薄物
三味線のお姐さんもいて、リラックスしたムード!良いですね!(上手のお嬢は、なにしてはる?)
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京の四条河原
安土桃山江戸時代 川原涼み 6月7日〜18日まで毎夜、川中に床を設け,足をひたして涼み、茶店が出て、音曲・曲芸などの遊宴も楽しまれました。
川床 kawayuka = yuka ( temporary terrace ) 床ゆかは夏の鴨川名物
五条〜三条あたりの河原にズラリ並びます。下はみそそぎ川。床のためにひかれた流れ。
YUKAは、料理屋の座敷から川へ突き出して作った,涼みのための桟敷(さじき)の事。今の床は . . . 昔のような感じではなく、床というよりはテラス感の店や、日本料理以外の店も増えてます。
歌麿 千代鶴 酔いさまし美人の足元に・・・ドキドキ
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哥麿『婦人泊り客之図』 右の人が薄物を畳んでいますね。
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実乃鈴 薄物で夏の踊り
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アンダー(じゅばん)を白か、薄いピンクか、薄いブルーかによって、ニュアンスが変わります。写真はスッキリさせたかったので、スッキリと白を。
単の着物と薄物の羽織
模様銘仙の単と薄物の羽織(ダイスキ❤️)
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羽織だけ薄物を着て、季節を先取り
単の季節である6月は、すでに暑いです
インナーも夏のシャリ感のあるものがよいですね
擬宝珠の写真のは、正絹の黄八丈の単に、お気に入りの薄物の羽織。
手提げ袋は、単の羽織を解いて縫いました。
(可愛らしい羽織でしたが、残念ながらシミの範囲が広かったので)
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世界的にも珍しい
我が国の誇る伝統装束
着物における知己(自分を確認できる)の魅力
和装では、背伸び感が見え片方がカッコ宜し
着物ってね、中身をゴマかせない厳しさがあると思うんよ
日本人として覚えておきましょう!
20〜30代の薄物と、グレー色は背伸びが過ぎます。
(服のグレーはオシャレで気軽な色。ですが、着物のグレーは大ベテランさんの色なの。人生経験が無い年では着る色ではないのね。服の目(センス)は和装のセンスには、ちと邪魔)
男の子の着物も「その時の自分」がハッキリ出ますね。
レンタルキモノの羽織を着た若いのは、頼りなくみえる。まだ 大人の男の貫禄に届いていない。それも良いこと!なのです。大事なことです。
知己。「自分って、まだまだなんやな」は弱い事ではありません。
気付ける人は気付かない人よりも優秀です!能力ですもの!
だって、
自分を知れば、学ぶこと・すべきことがわかるでしょう?
知己は強くなるタネ、ですね!
和装は「今の自分を知る」ことができる伝統衣装
自分が今、人としてどこに居るのか 、目で分かるのが着物。
「ちゃんと大人になりたい」
「いつか 貫禄ある男になるぞ!」
「いつか、あの着こなしが似合う自分に成るぞ」
そんな風に、昔の男の子たちは着物の姿からも、大人へのリスペクトが自然と湧いたことでしょう。
(親や大人への口のきき方が非常に聞き苦しい人がいます。自分が見えてないのでしょう。大人はそれを許してはいけませんね)
薄物の羽織 母のです。やっと似合うようになってゴキゲン
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単 ひとえ の着物=6月と9月に着る裏地のない着物
裏地(胴裏と八掛)がない共通点はありますが、春と秋の単では、柄や色の季節感は同じではないですね。
買う時・着る時には、色と柄の季節感で選びましょうね。
(9月に青モミジの色や初夏ぽい柄や、6月に 秋らしいからし色や秋紅葉柄でないほうが良い)an unlined KIMONO (for summer June & September KIMONO )
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単のきものと麻の帯 HITOE KIMONO & LINEN OBI for June & September
粋筋 濃紺の薄物 肌は決して見えないのに透けるとドキドキ
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母が薄物を仕立てた端切れを 掛軸みたいに使ってみました
松園さんの描いた薄物と呼び合ってますね
ずっと眺めていられます
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上村松園『春秋」 昭和5年(1930年)
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