日本舞踊実乃鈴の長唄&清元のワンポイント歌詞・クドキ Sexy or Expression of love lyrics part of Japanese dance song
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日本舞踊の色っぽい歌詞パート【クドキ】
MINOSUZU's blog
" Knowledge of various about JPN" magazine that read leisurely This time “ about KUDOKI “
(Sexy or Expression of love lyrics part of Japanese dance song )
日本舞踊は歌舞伎舞踊から独立した伝統芸能です。300年の歴史があり、その間に様々な派ができました。ジャンルも幾つもあります。
現在でも残っている純邦楽の主なジャンル
長唄・清元・常磐津・義太夫節
歌舞伎舞踊曲の構成を知りましょう
・オキ (イントロ的な冒頭部分)
・出 (主人公の登場)又は道行(旅の途中の光景を描写)
・クドキ(女性場合 恋心)
・物語 (男性の場合 合戦の様子や思い出)
・仕抜き(登場人物が3人以上いる場合、順に出てクドキや物語を踊る)
・踊り地(リズミカルな総踊り)
今回はクドキ 大人の魅力をご紹介します
歌詞は当然ながら古語です。
でも意味は充分通じましょう?うふふ。
念のため、単語の意味は添えておきます。解説はヤボ。
読み方を 五・七調子に読むと 歌やセリフの息になり 宜しいです(スペースを空けてます)
言葉の解説も読み方付けた親切設計。
お稽古してる皆さんは しっかり学んどくれやす。
【長唄 正札付き 草摺引】より
♪ 蒲団重ねて 敷き妙の 枕の土俵 化粧紙 間夫に逢う夜の力水 漏らさぬ仲の文相撲
草摺 くさずり(鎧の胴の下に垂らす綴られた5枚の板部分)
敷き妙 しきたえ(寝所に敷く布・寝所に敷く布)
間夫 まぶ(情夫。特に遊女の情人)
化粧紙(お化粧直しに使う柔らかい紙)
力水 ちからみず(相撲用語。土俵下で,勝ち力士が次の力士に渡し口をすすぐ水)
文相撲 ふみす(ず)もう(狂言の演目にもあるが、ここではラブレター勝負をすること)
*なんだか仲良しな . . . お二人?惚気(のろけ)でしょうか? . . .
実は小林朝比奈の悪み(イタズラっ気)のクドキ。朝比奈選手は、力で草を引っ張れなかったので、女の真似でちょっと茶化して、血気にはやる曽我五郎を引きとめようとするシーンです。 国福「曽我五郎」「朝比奈三郎」「草摺引ノ図」
【長唄 浅妻舟】
*スネたら 女も男も面倒。この男は浮気がバレた様子。そりゃアキマセンねぇ
♪ ソリャ言わいでも済もうぞえ 済まぬ口舌の言いがかり
背中合わせの床の山 こちら向かせて引き寄せて 抓ってみても漕ぐ船の 徒し徒波 浮気面 誰に契りを交わして色を 替えて日陰に朝顔の 花の桂の寝乱れし 枕はずかし . . .
口舌(くぜつ。痴話喧嘩)
抓って(つめって。つねること)
徒し (あだし。はかなく変わりやすいこと)
歌川国貞「坂東蓑助七変化所作事ノ内」「浅妻船」 1829
【常磐津 靭猿】うつぼざる
*猿曳と女大名の人情喜劇 女大名三芳野の滑稽なクドキ 靭猿は一見されたし
♪ わたしゃ おまえにだまされて咲く コリャなんじゃい室の梅
笹鳴きかける鶯菜 納豆なっとの朝ごとに飛んでいきたや主の側
見れば見る程クッキリと 水際の立つ好い男 . . .
室 (むろ。早く咲かせるために地下などに作った部屋)
笹鳴き(鶯の、舌鼓みたいな鳴き方。ホーホケキョの手前)
鶯菜 (ちょうど笹鳴きのころの小さい小松菜、水菜の。もちろん鶯にかかってます)
納豆なっとの朝(朝に回ってくる納豆売りの売り声。一緒に暮らせたらなぁ . . .の女ゴコロ)
豊原国周「女大名梅野 尾上菊五郎」1874
【清元 落人】 *早野勘平とお軽です . . .
♪ こんな縁が唐紙の 鴛鴦のつがいの楽しみに 泊まり泊まりの旅籠宿 ほんに旅寝の仮枕 嬉しい仲じゃないかいな
鴛鴦(おし。オシドリは夫婦仲の良いことで知られる。唐紙の、とは襖のことか。オシドリが描かれた襖絵にもトキメク女ゴコロです)
仮枕(かりまくら。説明は . . . ヤボ)
歌川国貞「人丸ノお六」「越後善吉」「早野勘平」1854
【長唄 小原女】
田舎っ子もおませな年頃
♪ 恋は八瀬の里育ち 軒の簾の床しさは玉簾髪を取り上げて 誰に見しょうとて夕化粧
床しい(上品で落ち着いた美しさがある。奥深さがあって心がひきつけられる感じ)
八瀬から洛中へ黒木を売る女性たちは衣装で人気になり、今も大原女は知られています。このクドキはオタフクの面をつけた滑稽な田舎娘のシーンです。
【清元 お祭】
♪ 好いたが因果 好かれたも 心に二つは ないわいな
江戸の天下祭(江戸城へも入れる特別扱いの)6月の山王祭にての 鳶頭と女郎の惚気話に続く、その女郎のクドキの一部です。
歌川国貞 作品名: 「江戸自慢三十六興」 「日吉 山王祭り子」1864
【清元 神田祭】
*押しかけ女房の勢いが伝わる 手古舞の女芸者樽井おせんの恋力
♪ 色の欲ならこっちでも 常から主の 徒な気を 知っていながら女房になってみたいの欲が出て 神や仏を頼まずに 義理も糸瓜の革羽織 親分さんのお世話にて 渡りも付けて これからは 世間かまわず人さんの前はばからず引き寄せて 楽しむうちに また他へ . . .
豊原国周 作品名: 「花競神田祭礼」「げい者新駒屋のお福 中村福助
徒な気 (あだなき浮気心)
江戸の天下祭・6月の山王祭と9月の神田祭は1年交代で行われた。
鳶人足の梃子前(てこまえ。祭礼の山車の前で木遣りを歌う人、の露払いをする。男装の女性は手古舞)と手古舞の芸者たち。
江戸ッ子の血がさわぐ様子が手に取るようにわかりますね。その一人に惚れた芸者おせんは、鳶の親分に直接 話をつけて、めでたく夫婦になった、のですが . . . どうやら悪性(浮気性)は治らないようです。江戸では 鳶人足はモテたそうですし、男気を競う連中ですから、ソリャぁ、調子に乗ったことでしょう。
豊原国周 「花競神田祭礼」「清元松太夫 片岡我童」 1884
今回はここまで。
実乃鈴なりのセレクトは
お楽しみいただけましたかしら
まだまだございますゆえ、
続きはまたの機会に (^-^)
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