江戸時代の男前たち 歌舞伎役者集
MINOSUZU's Blogmagazine
実乃鈴の のんびり読むブログマガジン
今回は男前の浮世絵をご紹介します
江戸時代の男前たち①歌舞伎役者 集
上方歌舞伎 春芝『けいせい伊達紗』(部分)
彼は上方歌舞伎の役者です。尾上英五郎、男前さんですね!
まだ若手と見えます。きっと女たちの贔屓が多かったことでしょう。
ここまでの面長ではないですが、ちょっと似た俳優を思い出しました。若いですが、現代劇よりも時代劇が似合う役者で、わたくしは彼を指導していました。彼はおとなしかったと思いますが、心身ともにセンスがドンドン上がっていき、TVにもよく出るようになっていきました。彼はもっと野心的でも良かったかなとも思います。
力んで顔の血管が紅潮した様が、赤の隈取化粧で表されます。
決意・怒り・燃えたぎる想いは、カッと見開く目にも。
これぞ目チカラ。 江戸浮世絵との違いを楽しめますね。
当時の仁左衛門、江戸時代の大阪歌舞伎。
当代仁左衛門さんはシュッとした男前ですけれど、この仁左衛門はチョイと角ばってます。この仁左衛門さんは善者役。やっつけられた悪役がひっくり返ってますからね。
(悪を踏みつける増長天の仏像みたい)
手紙がキーの1シーンです。荒事では、主役は伝説上のヒーローが演じられます。
人相学の本によれば、エラ張りはゴリガン張りの相(強情で言い出したら、人の意見を聞かない)とか??ゴリガンが良い方 . . . 向上心を燃やすとかへ出れば素晴らしいでしょうけれど、もし、ただの強情ワガママだったら周りに迷惑かけてしまいますね。
In 荒事 ara-goto plays , the main actors play the roles of legendary heroes .
当時の仁左衛門さん その2。
前出とは役と人物像が違いますね。
衣装は身分を表します。
歌舞伎化粧も役柄別の違いは明白。
見得を切る瞬間。
描写された手指のチカラが迫真!
七代・片岡仁左衛門 大立者 おおだてもの
その分野の一番の実力者、重要人物。
本来は、歌舞伎で座頭(ざがしら)や立女形(たておやま)など、一部の中心役者を「立者(たてもの)」といい、さらにその中でも主要な幹部役者を「大立者」といったことに由来する。
ちなみに、「立て」は、中心・筆頭を意味する接頭語
「立て行司」とは、最高位の行司のこと。
彼も上方歌舞伎の役者です。
顔がつるんとしているように見えます。お肌がよろしいかと。
重勝「菅原伝授手習鑑」
この歌舞伎は豪華な衣装と奇抜な化粧と大袈裟な動きで、とても愛されている古典ドラマです。17世紀に始まりました。
KABUKI is a classical & much-loved form of drama featuring gorgeous costumes,outlandish makeup & exaggerated movements . It originated in the 17th century .
上方歌舞伎 春芝「けいせい伊達紗」部分
まさに「女形をされる顔」の役者です。
歌舞伎も京阪が発祥の地。
日本舞踊のルーツ・歌舞伎のこと
【上方狂言・上方歌舞伎】京坂地方に発達した写実的な特徴をもつ歌舞伎狂言。元禄期(1688〜1704)の坂田藤十郎の和事;ロマンス・やつし(若殿や若旦那が勘当された姿。実際に遊郭に入れあげて勘当された人物が複数居たので、今で言うあるある話)・心中などの恋愛トラブル 、史実を材にした赤穂浪士の討ち入り(元は人形浄瑠璃)等、世間で見聞きする題材。
宝暦期(1751〜1764)以後の義太夫狂言に代表される。
対する【江戸狂言・江戸歌舞伎】
江戸風の豪放とか、妖怪や幽霊、精霊などの夢幻的なフィクションが多い為、荒事では 衣装・化粧やりたい放題に開花(暫や鳴神) 黙阿弥の生世話物(きぜわもの 庶民の生活を写実的に描いた)もあるし【実事】では、判断力のある常識人を主役とした誠実さが題材。【曽我狂言】は曽我兄弟の仇(あだ)討ちが題材。初演1655年江戸 山村座「曽我十番切」 享保(1716〜1736)頃から吉例として初春興行の出し物となった。
歌舞伎の見得は独特な表現
歌舞伎のキメポーズ
名古屋山三役が見得を決めたところです。
きりりとした太い眉、グッと結んだ口。パワーあふれる男前ですね。
男舞には大きさ・どっしりさが求められます。
見得は、地方(jikata)さんたちの演奏と一致団結して息を合わせます。
観客をグッと惹きつけるズームアップのような効果と云われます。
昔も今も、舞台は舞台。フィルムと違って寄ったり引いたりできません。でも、「そう見える」のは、ヒトの持つ優れた能力ですね。演者も観客も、ほぼ同じ印象を感じられる、それはすごい能力!
見得 MIE ; pose . It creates a dramatic effect .In KABUKI , various storytelling techniques have been developed to engage the audience's interest .
国芳 「伊達競高評鞘当 だてくらべうわさのさやあて
シモテの役者、きっと男前でしょう。国芳お得意の柄物衣装が派手の競い合いをヒートアップさせています。(自画像を見ますと、国芳本人も男前だったようですね)
嘉永4年1月 江戸の河原崎座で上演された『伊達競高評鞘当(だてくらべうわさのさやあて)』名古屋山三(五代 沢村長十郎) 不破伴左衛門(五代 市川海老蔵) 、かつらぎ(四代 尾上梅幸)
錦朝楼芳虎(歌川芳虎「侠客本町育之内 唐犬権兵衛」名主印・渡邊庄右衛門 天保14年から弘化4年(1843~1847)版元・有田屋 有田屋清右衛門 国立国会図書館デジタル化資料
ポーズを決めてますが・・・仔犬柄では・・・
※ 豆知識その2 吉宗と桜
八代将軍吉宗は御殿山(品川)王子の飛鳥山、隅田川沿いの土手堤にサクラの植樹を進めた。江戸市中から少し離れていたため、庶民は日帰り旅行気分で花見を楽しんでいたそうです。
二枚目=二枚目看板
近世,歌舞伎芝居の看板まねきの二番目に名が書き並べられたことから〕和事(Wa-goto)での男前な役。
[二枚看板]はチョット意味が変わります。 一座のうちで,中心となる二人の出演者。また,二人の代表的人物。2topみたいかな?
歌舞伎のキャスト名が書かれたまねき上げは、京都四条の南座の風物詩です、毎年、ニュースになりますね。
まねきは元、上方(京坂)で,臨時出演の俳優の名を書いた庵(いおり)看板を指していた
庵形の木のついた看板に役者の名と家紋が書かれます。江戸では、初め上方からの下り役者と,改名の役者の顔見世興行に限り用い、後に,主要役者から作者にまで用いられるようになったとか。
[ 一枚看板 ] 歌舞伎劇場の前に掲げた大きなまねきで、外題が大きく書かれ,その上部に、主な役者の絵姿が描かれた。転じて,一座の中心役者の事を意味するようになりました。
今や全国区の言葉ですが、元来は上方語です。下り役者たちから広まったのでしょうね。(江戸では大名題(おおなだい)といったそうですが、今では聞かれないようです。江戸時代の歌舞伎看板は、右から順に・・・一枚目主役 二枚目ハンサム 三枚目道化 四枚目中軸(全体のまとめ役) 五枚目&六枚目敵役 7枚目敵役のボス、黒幕 八枚目座頭・座長)
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『端唄 春雨 能舞台にて』 ” SPRING RAIN "