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お正月の縁起の良い浮世絵 ①  New Year’s fortunate UKIYOE

日本舞踊アーティスト実乃鈴ののんびり読むBLOG

Japanese Dance Artist MINOSUZU's blog

“ Read leisurely & have fun"

INDEX

初春恒例の歌舞伎 THE annual event OF kabuki

お正月の浮世絵 New Year’s UKIYOE

松 MATSU pine

鶴亀 crane & tortoise or turtle

獅子舞・越後獅子・角兵衛獅子 SHI-SHI0MAI

京の万歳・江戸の万歳 KYOTO’s MAI-ZAI , EDO’sMAN-ZAI

芸術と人間の心

春駒 HALU-KOMA spring horse

お正月らしく 勢いの良い1枚を。

北斎『吉原遊郭の新年』 1811年頃。大判錦絵5枚続の左半分。

各36.9×25.0 cm。版元:伊勢屋利兵衛。墨田区蔵。

まぁ 大変な賑わい!幕府公認の遊興エリア吉原は、非日常の『浮世』

一般庶民の生活水準が向上しますと、社会は古今東西 文化的な物事を求めるようになります。

ギリシャ・ローマ時代の文化度も素晴らしいものでしたね!

HOKUSAI " NEW YEAR at YOSHIWARA "

「衣食足りて礼節を知る」

時代の稼ぎ頭となった富裕商人たちは リッチな暮らしとして、まず享楽に走り、酒池肉林で遊びっぷりの派手を競い得意げ?になったのは今も同じ。しかし、18世紀末までには 中産階級も拡大しまして、彼らの考えに変化が起きました。多くの裕福な商人は「あらゆる俗な遊び場における物質的な享楽にドップリ浸かるなんてナンセンス、下等である」と気付き、質素な生活を良しとするように変わりました。「高潔こそレベルが高い」享楽とは180度の転換。

ですが、芝居の座は人々を呼び、遊郭のあるエリアは相変わらず、当時の男たちを惹き付けたようです。吉原へ資金を出して支えていたのがお大尽の商人たち。その財力は、現在の富裕層どころではなかったようです。 

封建的な官僚主義がベースの幕府は、享楽的な世相を規制する法律を定期的に施行。権力をカサに着るやり口は、最も嫌われます。(現在でも。与党しかり大阪しかり京都は?市政や国政を私物化してるようにしか . . . )

幕府の規制は 文学・版画・挿絵付き書物・俳句・歌舞伎座・服装(素材や飾りの種類と本数まで!)・遊郭 等々、庶民の楽しみ全般でした。

特に、寛政期(1789~1800年)松平定信(1759~1829年)『寛政の改革』は大きなミスだったと言われます。当時すでに弱体化してた徳川幕府の権威を、再強化することを主な目的としたそうですが、楽しみと文化に対する厳しい検閲制度は 逆効果になる事を理解してなかったのでしょう。

芸術と人間の心

「人は言葉のない頃から踊り、文字のない頃から歌ってきた」と言われます。

人間だけが [ 他人の気持ちを良くする何かを作ろう ] とします。

其れを見聞きした人は、作った側の心を感じまして、良い気分で心が満たされる喜びを知ります。良い事で満たされた心は、その人の強いエネルギーになりえます。

つまり、芸術は目に見える物質を生みませんが、人間には必須のものなのです。

 Only human beings say, "Let's make something that makes others feel better." The person who sees and hears this feels the heart of the person who made it, and knows the joy of being satisfied with a good feeling. A heart filled with good things can be a strong and good energy for a person.In other words, art does not produce visible substances, but art is essential to humans.

人間だけが、他人を思い考えて 何かを生み出し作るのです。

それは、芸術のみならず、生産されるものなら、全てそうなはずです。飲食物もサービスも衣類も住居も、教え教えられるすべて。

現在は、心を感じられるものが少なくなった . . . と感じる人は少なくありません。日本の心は日常の身近にこそなくっちゃぁ、なのにです。

先日、世界的な指揮者が苦言を呈されましたね。

「最近の人々は つまらないことでスグ不平を言う」

心が無くなってる状態の人が目に付くことを懸念されていました。

「あっという間にやり取りできるほど世界は小さくなったが、それはテレコミュニケーションなだけ。ヒューマンコミュニケーション能力はどうだ?」

苦難の中でも周りへの愛情を無くさなかったベートーベンから現代人は学べるとおっしゃってました。

 The other day, a world-class conductor gave a wry speech.People nowadays complain about trifles.He was concerned that more and more people were in a state of lost heart."The world has become small enough to communicate quickly, but it's just telecommunications. What about human communication skills? 」He said he could learn from Beethoven, who did not lose his love for others even in hardships.

便利便利と言って飛びついたって、人々は結局 [心と自然なものを求めている ] のです。

日本人も外国人も、田舎へ遠出して古民家を店舗にしたところに行きたがり、小さな画面にうつむくのを止めて一杯飲み屋で初対面同士で呑むのが好きになるのは、自然な心を求める表れだと思います。

顔を上げて自分の声で言葉で話して、相手の声で言葉で聞く。

声色・調子は言葉より雄弁なこともあります。

当たり前の人間同士。

顔を上げましょう。人を見ましょう。作ってもらったら写真なんかうちゃって、おいしいタイミング中にいただきましょう。

程よい距離を理解する能力も人を見るところから ではないかしら?

 When people are willing to jump at "useful and new things," people end up [seeking the heart and nature].Both Japanese and foreigners want to go to the countryside and go to old private house cafes.I think that it is a sign that people want a natural mind to stop moving to a small screen for a while and to think that it is comfortable to meet each other for the first time in a small izakaya.Raise your face, speak in words in your own voice, and listen in words in the other person's voice.The tone and tone may be more eloquent than words.Human beings are natural.Let's look up.Let's look at people.Let's eat it at a delicious timing without taking only a photograph when I have it made.Isn't the ability to understand the distance of the person also noticed from the point of view of the person?

橋本貞秀『大江戸年中行事之内 正月二日 日本橋 初売』1860

万延元年 ” New Year's Sale on 2nd Jan. "

*松も鶴も日本のおめでたいモチーフです。

松の禅語「松樹千年翠」(松の木の緑色は、千年の風雪に耐えぬいて、少しもその色を変えない)

祝語として、新年の床の間の掛軸などに 長寿や健康を祈って使われます。

鶴亀

お正月のお軸(掛軸)や お屠蘇の器も目出度いモチーフが適しています。

円山応挙 松鶴図 絹本

OH-KYO MARUYAMA

「金泥の鶴や朱塗りの屠蘇の盆 夏目漱石」

禅の教え「松に仏を見て、その不断の説法を心で聞け」いつも緑で長い年月みずみずしい松を、変らない仏の真理を説き続けていると見ているのですね。松の常緑のように色褪せないブレない信念を持てという事でしょう。

「松」最高におめでたい樹木

宮中には女松=赤松が、お城には男松=黒松が植えられます。御所の一般公開や、お城を訪れたならお見逃しなく。男女に例えられたのが なるほどとお感じになるでしょう。

松は廓のクラスでも、遊女の最上位である太夫職は松の位と呼ばれました。邦楽の歌詞にも残り伝えられております。

「老松」

そもそも 松の目出度きこと 萬木にすぐれ 十八 公のよそおい 千年の緑をなして古今の色をみす

秦の始皇の御狩のとき 天にわかにかきくもり 大雨しきりに降りしかば 帝雨をしのがんと小松の陰へ 寄り給う

この松 たちまち大木となり 枝を垂れ葉を重ねて 木の間隙間をふさぎてその雨を もらさざりしかば 帝太夫という 爵を贈りくだし給いてより 松を太夫と申すとかや

かように 目出度き松が枝に 巣をくう 田鶴の齢をば 君にささげて 御子孫は 亀の萬 劫ふる川の 流れ絶えせぬ金銀珠玉

どう々々々どと御蔵の うちへ納まる家こそ目出度けれ

鶴のいろいろ

鶴の子餅:上新粉で製した,祝儀用の卵形をした紅白の餅。

鶴の巣籠もり: 尺八の曲の一。親鶴が子を育て別れるまでの情愛を表現した曲。数種の同名異曲がある。琴古流では「巣鶴鈴慕(そうかくれいぼ)」という。同名の曲が胡弓本曲にある

つるがぶし(鶴賀節)浄瑠璃の流派の一。新内節の祖流。1751年に鶴賀若狭掾(わかさのじよう)が富士松節から独立して開流。後には新内節の称に包含される。

新年の獅子舞 厄除けのおめでたい儀式

SHISHI -MAI Lion dance

獅子舞はこのように大きな獅子頭を持つか、被るかします。

お正月に獅子舞を見て、獅子から噛むしぐさをされると、その年は無病息災!縁起の良いものです(^.^)

The New Year's ceremony where the good luck charm is happy as for the lion dance

The humped-head goldfish is covered with by a head and is danced for New Year holidays in Jap

That's a lucky action to be " perfect state of health " if bitten by a lion dance performer for New Year holidays.

小さな獅子頭を頭につけて、アクロバットを見せる「角兵衛獅子」も大道芸の定番だったようです。

大人1〜2人&こども2〜4人のグループがスタンダードで、新潟から 6月〜秋に江戸へ出てきたそうです。

時代劇では「角兵衛獅子はこどもの芸としてしか描かれませんが、実際は大人も芸(洞返り、多分、前宙返りやバック宙)を見せたとの事

お正月の江戸市中は 新年を祝う門付け(屋敷や店の前で演じる注文的な大道芸)で賑わったそうです。笛や締め太鼓などの音楽が町中に溢れた良いムード。今もそうなら楽しいでしょうね!

 わたくしたちの仲間なら再現することは可能と思われます。

与謝蕪村 『万歳図』Buson YOSA " THE MANZAI "

「万歳や 踏み固めたる 京の土」

さすが、蕪村さん!迷い一切なく、筆がさらさらスラスラ!「線と色面がずらされてるのは、動きの表現」だそうです。

万歳は祝福芸です。

最近は歌舞伎や狂言の舞台で観る芸能です。今の町角でも見たいものですね!

日本各地に存在する「万歳 MAN-ZAI」 元は神官が始めた芸能

土を踏む動作は「邪気を払い、福を招来する意味」

 Man-zai MAN-ZAI, which exists in various parts of Japan, was originally an art show started by a priest.The action that they step on the soil means "to remove the evils of the town and the land, and to invite good luck".

京の万歳が町々を踏みしめて歩くのは 都が益々栄え続けんことを祈る儀式的な意味。関西地方の万歳の言葉には、天皇が在する京の繁栄と、天下太平を寿ぐ意味がありました。 

江戸時代の万歳(門万歳の)源流は、昔、都でお正月に宮中や社寺で祝言の詞を囃し舞った芸能 [ 千秋万歳・千寿万歳 ]

平安時代末には、すでに万歳を専業とする法師が登場した

彼らの衣装は素袍に鳥兜みたいなかぶりもの。鼓に合わせて舞っていたようです。

室町時代 万歳が[ 門付け芸能 ] に変化しました。

門付けといっても訪れる先は、民家だけではなく、宮中・将軍の屋敷も。猿楽能や幸若舞も取り入れて、数人のグループで周ったそうです。

江戸時代 三河万歳は幕府の保護を受けて盛んになった。

 英一蝶『十二カ月の内 正月』I.HANABUSA " NEW YEAR "

才蔵とは、鼓を打ち,太夫の謡に合わせて滑稽なしぐさをする相方のこと。江戸の四日市に 房総から集まる才蔵志望者が集まりました(才蔵市。相方マッチングの場)大夫役は各々一人を選び,ひと春のペア契約をしたそうです。どちらも江戸への道中は、その年の出会いの良し悪しが気になったでしょうね。

伊予万歳」 舞台向きにアレンジされ、よく演じられた「伊予万歳」は愛媛県松山地方に伝わる芸能万歳です。祭礼や慶事の余興として,歌・三味線・太鼓・拍子木の伴奏で にぎやかに踊られたそう。勢いがあって楽しそうですね! 曲目には「松づくし」「お染久松」など

哥麿『恵比寿大黒の万歳』 " EBISU & DAIKOKU'S MAN-ZAI "

大黒さん&えべっさんのユニットでの万歳! 縁起の良いこと!

「幕間の さざめき楽し 松の内 水原一」

歌川国貞(三代歌川豊国)「十二月ノ内 孟春 踊始」

春駒」正月ならではの出し物。春駒は夢に見てさえ良いと歌われます。

持って歌い踊られる馬の首の形をしたものは、竹の棒の先に馬の首形をつけて,もう一方の先に車をつけて,またがって遊ぶこどものおもちゃです。

この絵の三味線の女性の着物の綺麗なこと!ため息が出ますね。春着=新年の気合!ですね。

譜面台music standの蒔絵もビックリするほど豪華!

屏風の梅と言いTHE 新年ですね!

こういう新年を毎年、味わいたいです。

 HALU-KOMA New Year's unique performance. Spring horses are sung as good to dream.The shape of the neck of a horse that can be sung and danced with is a children's toy. Put the head of the horse on the tip of the bamboo stick, put the car on the other end, and the children play across it.The beautiful thing of the kimono of the woman of the shamisen of this picture! You sigh, don't you? Spring clothes - New Year's kimono. Enthusiasm for the new year! Right.The maki-e of the music stand is gorgeous enough to be surprised!The New Year is also the plum of the folding screen!I want to taste this kind of New Year every year.

長歌『百花春駒』

「♪ めでたやめでたや 春の初めの春駒なんぞは 夢に見てさえ良いとや申す オオそれそれ 良い振袖の ♪ 梅と桜のそのなかなかは 姿も年も愛嬌も対の取りなり可愛いと申す しゃんと凛々しき出立ち栄え」

初春恒例の歌舞伎演目

人気演目の『曽我物』『粟餅』『角兵衛』『駕屋』『式三番叟』『四季三番叟』など人気演目が上演されました。(現在も人気の『鏡獅子』は明治の作品)

1月は寒くて寄り添うから睦まじい月なので、睦月❤️

寄り添うと心も暖かくなりますね

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