上村松園の着物 櫛 簪 Sho-en UEMURA fimale painter JPN
上村松園の絵に見る当時のファッション
着物の色柄・櫛・かんざし・小物
THEN FASHION / MODE
上村松園『春のよそをひ』1936(昭和11)年頃
絹本・彩色 山種美術館
京都画壇の多彩な流派:四条派・土佐派・狩野派・円山派、各派の技法は、家系で代々、継承されました。
There were various HA(schools) in the ex-Kyoto painting circlesthe ; MARU-YAMA group, the SHIJYO group, the TOSA group, the KA-NOH group.
Painting was inherited from generation to generation in a family by the style and the need of the tradition of the technique.
近代以降は次第に 流派が云々ではなく、
作家ごとの個性的な表現の価値が求められ始めました。
”流派の看板”からモノを見るのでなく
”作品自体を観る” ことは
芸術的な目の成熟と言えます。
全ての芸に言えることですね
それは今後も目指す方向であるでしょう。
However, after modern times,
The expression by the painter's individual came to be gradually made much of.
上村ファミリーは近代の日本画壇の中でも 稀有と言われます。それは、
三代にわたって各人が優れた画人となっているからです。
(上村家は代々 能楽の金剛流と親交が深い)
UEMURA family is rare in the Japanese painting circles of modern times.Because it produced superior painter for three generations.
(in the UEMURA family, a KONGOH style and friendship of the Noh are deep from generation to generation)
授かった[ 画家としての優れた才 ]を、自らの努力で向上させた先に表れた香り高さ。
家系の特徴である [精神性]は 模倣のできない香りですね。
松園の美人画には
鑑賞者をホッとさせる品がありますね。
『清韻 』 Pure rhyme
1943年 絹本着色
彼女の息子Sho-koh松篁も
母ゆずりの澄んだ気品を受け継いだ花鳥画が人気。
上村松篁 「春鴬」
A bush warbler in spring
彼女の孫であるAtsu-shi淳之の 可愛らしい鳥の画にも
ファンが多いですね。
上村淳之 「雪中小禽」A little bird in snow
* 現代の舞妓の装いについて *
京の舞妓の 髪の結方・かんざし・服装の模様などは
ずっと以前と比べると かなり変ったそうです。
『春風』 昭和10年代 (1935~1944年)SPRING WIND
昔の「純京都風」との違い
後ろの髱(つと tsuto 又は たぼtabo。後頭部の髪)はかなり 大きかったのですね。
形をキープする為につけられていた 固いびんつけ油(ヘアワックス)。
近ごろは、つとも小さくされ、鬢付け油もつけない とのこと。(参考画像POLA文化研究所)
夏の [銀製の薄のかんざし]
ふと目にした人にも 涼感を与えたことでしょう。
現在も 銀のすすきのかんざしは挿されてはいます。
でも、その薄の形が変化したそうです。
昔のように葉を密集させて作られていないとの事 . . . 。
振り袖にも変化が見られるようです。
『昔は裾模様が描きこまれていたが、近ごろは柄が「荒く」なってきた』 お嘆きの諸先輩方もいらっしゃいます。
『庭の雪』Snow of the garden
* * *
松園さんは多くの髪型や着物やかんざし・櫛を描いています。
少女の「桃割」
未婚女性の「娘島田」
既婚女性の「丸髷」など。
She draws many hairstyles and kimonos."MOMO-WARE the peach-shaped chignon" for girls
"MUSUME-SHIMA-DA Daughter Shimada" for unmarried woman
Married "MARU-MAGUE married woman's coiffures."
屏風『人形つかい』a puppet show
後姿の 人形使いのショーを遠慮がちに見てる女性は「つぶし島田」赤い水引できりりとしばってますね。
着物の柄もすばらしい。
帯でドレスダウンしているように思いますね。
* * * * *
『美人納涼図』 Woman enjoy the cool evening breeze .
この作品からは [すぅーっと深呼吸したくなる心地よい風 ]に一緒に吹かれる感じがしませんか?
夏の夕、やっと心地よくなった風に ふと、足を止めて 思うことはありますね . . .
From this workI feel like it is blown with this woman for the comfortable wind that wants to take a deep breath unintentionally.
The evening, the wind that at last became comfortable
This woman stops in a breeze incidentally, and what does she think about . . ?
二曲一隻の屏風『娘』BYO-BU [ YOUNG GIRLS ]
左の女性
江戸中後期の「天神髷」left : Ten-Jin-Mague
右の女性
島田髷の1種「結綿」 right : Yui-wata
(どちらも20歳ぐらいまでの女性の髪型 both for girls 'til 20year old )
right「花」 (1910年 明治43 )
left「桜狩の図」1935年 昭和10)
五つ紋色無地の着物。長襦袢は高島屋格子。
娘は桜の模様の振袖に亀甲模様の帯。
富裕層は お花見には新調の着物で出かけたと聞いております。
KINMONO with 5 a family crest ,
NAGA-JYUBAN lingerie is TAKASHIMA-KOHSHI check .
young lady ware a long-sleeved KIMONO with Sakura flower patterns & a honeycomb pattern OBI .
I heard ,the wealthy class wares newly-made for cherry-blossom viewing.
左:「志久礼」しぐれ SHIGURE ( drizzling )
高島屋格子は
四代目松本幸四郎が
幡随院長兵衛を演じた時の衣装が注目されて 大人気となったそうです。
A KABUKI actor wared TAKASHIMA-YA-Koh-shi check when performed as mr.BAN-ZUI-IN and It was very popular.
「 待月」 Waiting the Moon
松園さん談 :
『私は、明治の初めから十五、六年ごろの風俗を 細微にわたってはっきりと覚えています。
今のうちに、この亡びゆく美しさを絵に残しておきたいと思います。
自分で描いておかないと、後から生れた人は(絵では見ていても)実地に見てきたのではないから、”もう一つ”と いうところが描けないでしょう . . .』
『 簪 』KANZASHI
『. . . 舞妓は やはり年の若い、出て(デビューして)ちょっとしたくらいの 初々しいのが 舞妓らしくていいものです。
小さくても姿勢の整ったのは いいものです。
舞妓を描く場合に一番大切なのは、何といっても中心になるあの だらりの帯です。
カラコロと音を立てる おこぼ(舞妓下駄)、大きい振袖で歩くたびに 帯が可憐に揺れる、その情趣が 京舞妓の全生命なんです。 舞妓の衣装の形にもいろいろあります。袖が長くて帯がそれよりも少々 短い方が形がいいようです』
left 『追風』OI-KAZE (fair wind.) 昭和10年頃 絹本彩色
right 『志ぐれ』 SHIGURE (drizzling rain) 昭和11年 絹本彩色 第2回五葉会出品
上村松園 明治の京都下京に生まれ育つ。
「はんなり柔らか かつ きりりとした 心の温かい美人画」を描き今でも人気。
1948年 女性として初の文化勲章を受賞)
松園『春光』 Spring Sunshine
*
writer : MI-NO-SUZU
実乃鈴
日本舞踊ARTIST
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The succession of the URMURA family
There are the superior talent and natural gifts as the painter.
In addition, there are a high spirituality and character peculiar to the family :
In UEMUR family A , Kongo school of noh and friendship of the Noh are deep from generation to generation.
They have the process that was always conscious of traditional culture.
Grand painting of beauties
of Sho-en松園,
『手毬』TE-MARI(traditional Japanese ball)
Clear dignified painting of flowers and birds of her son Sho-koh 松篁
『春輝』SPRING SHINE 昭和59年(1984)
And
the refined painting of flowers and pretty birds of Atsu-shi淳之 ( her grandchild )
上村淳之「春宵」 Early Evening in SPRING個人蔵
The feature of the Maiko 舞妓 of Kyoto considerably in comparison with the past changed all the time.
One, an ornamental hairpin, the design of clothes to be constipated of the hair.
Old "pure Kyoto wind"
Later 髱 (Tsuto, or Tabo occipital hair) was greatly taken out, and hard BIN-TSUKE oil (hair wax) was attached.
But recently it is made tsuto small and does not soak the Bin-tsuke-oil either.
Silver thin Susukino ornamental hairpin was placed in summer.
It seemed look discernibly cool.
It is placed silver thin KANZASHI but changes now.
It densifies a leaf as in the past and is not made.
As for the design of KIMONO, a design was drawn on the hem in old days, but a pattern became "rudely" recently.
『鴛鴦髷 OSHIDORI-MAGE』
mandarin duck-Mage(chignon)
SHO-EN said,(昭和九年 1934 )
"It is fine, and I cross 15, the manners and customs of about 6 from the beginning of the Meiji era and remember it clearly.
I want to leave this beauty to fall, and to reach to a picture before it's too late.
Because I did not see it practically when I do not describe it in oneself even if the person born later is a picture and sees it, I may not describe a place called the other.
上村松園 『新蛍』(1944)
a new firefly / a new lightning bug.
After all,
as for the Maiko, young; so as to appear, and to have done it a little; it may seem to be a Maiko to be innocent.
It is small, and it is good to have had the posture regular even if small.
It is that DARARI-no-OBI silk sash which plays a key role even if the most important one says anything when I draw a maiko.
O-KOBO clogs making a sound of the tree,
An obi is pretty and wavers whenever I walk in a big long-sleeved kimono振り袖FURI-SODE,
The appeal is all life of the Kyoto Maiko.
There are various kinds in the form of the clothes of the Maiko.
The one that a sleeve is long, and an obi has a slightly shorter than it seems to have good form"
(参考:青空文庫作成ファイル(http://www.aozora.gr.jp/))
「若葉」 Fresh leaves
WRITER : MI-NO-SUZU
実乃鈴
日本舞踊ARTIST
An attraction and hospitality
by[ the Japanese dance ]
the consultation of the plan to MI-NO-SUZU !
I accept an appearance request
to the inside and outside the country.
各種音楽との共演企画も大歓迎です!
I welcome the costarring with various music !
振付・出演
古典から
現代音楽とのコラボレーションまで
Choreography & appearance
From a Japanese classic to collaboration with the contemporary music.
movies
https://youtu.be/QOJSsFVbyfI
https://www.youtube.com/watch?v=Tisf9ip-pio
https://youtu.be/u3rcJUJgJL0
*日本舞踊(NIHON-BUYOO) ARTIST
MI-NO-SUZU *
実乃鈴への
出演のご依頼を承っております
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The appearance request
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実乃鈴
MI-NO-SUZU
Please contact me
from an inquiry form
Regardless of home and abroad
* * * * *
上村松園『牡丹雪』1944 7月
第二次世界大戦末期、日本軍に資金を提供するために描かれた。
戦意発揚の為に書かされた絵。一見、そうとは思えませんね . . .
しかし、松園さんは 京女の意地を筆に託したようです
傘は神聖なる神仏を守る目的でありました。「傘の内は守られる」ということです。降る雪(戦火)は春遠からじを告げる牡丹雪。その厄を除けている傘の内の女性たちは、来たるべき春(終戦)へ凛とまっすぐに歩んでいます。
美しい着物と贅沢なべっ甲簪の類は、平和だからこそ気がねなく楽しめます。お洒落を遠慮無く楽しめる平和の素晴らしさの有難さ。それは、やはり、気骨ある母さまあってのザ・松園だと思います。 「戦局の険しさが加わると共に 刺々しさが深くなる人の心に穏やかさを贈ることこそ「女性本来の生き方」であり、かくてこそ、初めて女性として皇国護持の道に徹し得るのではないかと思う」
みみたぶの赤さで外気の寒さを表現
日本人の美学 季節感
着物は見る人にも季節感を与えます。「季節感を分からずしてはお洒落とは言えない」
寒い時期には暖かそうな色柄を。暑い時期には清涼感のある色柄を。(着物や帯に秋の柄、の意味はそこにあります)
優れたファッションセンスを持つ人は「見る人への季節感の影響」をご存知です
(残念なことに今は、大切で粋な季節感を教えてもらえる子が少ないようです。真冬にチュールのスカートは . . . 。せっかく時代を超えて培われてきた日本女性のセンス。大事にしましょ)
さて、牡丹雪は冬の終わり、つまり「春遠からじ」
萌黄色は松園さんがお好きなようで、様々なシーンの美人画でも見られます。ここでは春らしい色の演出と言えますね。
雪(戦争)もまもなく終わり、春(終戦)が来る、そういう表現とも考えられます
元、傘は邪悪なものから神仏を守る為のものでした。茶道の野立ての傘は茶室の見立てです。「傘の内は別世界」ということとされます。
上村松園『夢物語』
仕舞を舞う姿。
松園さん自身、仕舞を親子でお稽古してはりました。左手の袖使い、日本舞踊を習う人ならお分かりですね。
本から現れる美人(本の精)着物は、裾模様がメインです。
これは振袖ですので、振り袖部分と裾模様が繋がるように配慮されています。
上村松園『蜃気楼』
昔の人は、蜃気楼は、ハマグリが出すと 想像していたそうです。この女性に、ちと、生気が無い . . .