日本舞踊 味わう入門1BY 実乃鈴 (動画付) SAVOR THE TASTE OF JPN'S TRADITIONAL DANCE
伝統舞踊は古典芸能となりました
多くの人は 馴染みがないので「難しそう」な印象があるようです
けれど、当時は最新芸能!
芝居小屋もお座敷も 客との距離が近かったので、
芸には 細やかな気配りがされました(芸:身体能力・表現力・心のあり方)
役柄を演じる踊り芸能の鑑賞ポイント(単なるダンスとの相違)
・体で物語る心情や景色を 演者と共に味わう
・手、指、 見えるかどうかの爪先さえも 表現してる
・男女ともに、異性を踊り分ける(1曲中にスイッチするのも基本の1つ)
・着物も表現に使う(袖・裾・衿・帯)かんざしも表現に使われる
・舞扇は、見た目よりずっと表現が難しい
・人以外も演じる(神、もののけ、精霊、亡霊、鬼、動物)
・音楽の間は一定ばかりでなく、伸び縮みもある。演奏者や歌い手による節の違いなど、全て理解して踊る
・・・先ずは、これくらいでしょうか
恥じらうような指先、嬉しい指先、悲しみを抑える指先・・・
観客も同じ景色が見えるのが不思議です
そのうちに、パッと電気が点いて、絵本か映画のように見えてきますよ!
舞扇は、ジャグリング風に暴れさす使い方よりも、表現する使い方の方が難しい
顔の表情は自然に目がいきますが、指先にもご注目くださいね
「指の動きは指の仕事ではない」
プロに指導するとき、それは重要なこと
Points to appreciate in the performance of dance arts portraying roles (differences from mere dance) - Experience the emotions and scenery told through the body along with the performer. - Hands, fingers, and even the visible toes are all part of the expression. - Both men and women dance differently for the opposite sex (switching within a single piece is one of the basics). - Kimono is also used for expression (sleeves, hems, collars, obi), and hair ornaments are used for expression as well. - The fan dance is much more difficult to express than it appears. - Non-human characters are also portrayed (gods, spirits, ghosts, demons, animals). - The music is not always constant; it has stretches and contractions. Understanding all variations in the phrases by the performers and singers is essential for dancing.
Facial expressions naturally draw the eye, but please also pay attention to the dancer's fingertips. "The movement of the fingers is not just the work of the fingers." This is an important point when training professionals.
イタリアマダム達から質問されたのは、
「手の柔らかさは、何年くらいかかるの?」
数十年でしょうかと答えると、とても驚かれていました
その動きだけなら、真似できるでしょうが、山は、そこから先!
年月かかるんですわ〜
「芸は一生」一生勉強、言い得て妙のバリューね
昔、舞踊は 社会にバッチリ必要でした
宮中然り、武家然り、神事然り、宴にも必須
良家の女子は踊りを習うものでした
教養・素養の1つを身に付けることは、女性の人生には大きな力になったのね
今でも、日本人プロステージダンサーなら日本舞踊はできないとねぇ
現在でもそのはずですが・・・?
日本舞踊は日本にしかない芸能ですし、日本人にしか踊れないから
馴染みがないのは 知らないから、だけ
知れば「見る目の目、ができます」
例えば、
基礎訓練が基本のバレエ・モダン・コンテンポラリー、ステージジャズを習ったことがない人には、世界一のバレエダンサーであっても鑑賞のツボがわからない
その目を持ってないから 仕方ないの
それは、絵画や骨董など美術鑑賞に ちょっとだけ似ています
(「美術品の価値は作家の名前」市場相場がほぼ決まってるのが大きな違い)
けれど、素人さんでも、自身の体で実際に訓練するうちに・・・
「こんな大変で 難しいことだったのか!」実感GET!
体で知るからこそ 美しさが見えてくる
「1つ大事な目を持てた」 良い進歩ね!
日本舞踊は 今、TVでもほとんど見ないから、知る人が増えるわけないわ
作り手自体に理解がないのかしら??
お稽古を積んでる女優や俳優はいます!
スキルを引き出さない制作側は、「何をしてるはるん?」
映画全盛期の俳優は 踊りも必須だったと聞いてます
撮影話側にも目はあって、撮るべき所をわかった撮影です
「初春狸御殿」 舞踊の良さを楽しく味わえる映画
どなたにもお勧めしてます
ミュージカル仕立て ♪ 歌も踊りもふんだんに!
様々な歌手が 次々に出てきます
主役の美男美女の 恋する踊りシーン ♪(若尾文子・市川雷蔵)
ダンサー総踊りも 華やかでウキウキ
斬新な演出もあり、寸法も程よし
後年、大御所になる俳優たちの若い顔もあり、勝新の おくて役(新鮮)
中村玉緒さんも見つけてね!ほんま可愛らしい!
大御所 山田五十鈴さんは、三味線も歌も、演じながら奏されましたね
鬼平のおろくさんの「向こう横丁のお稲荷さん」その場にいたかったほど楽しくて、必殺では 演奏シーンを待ってました
芸を持った人が役者やってはった
今は 吹き替え、コンピュータグラフィック・・・ほんまモンや無い
今なら・・・
例えば、戸田菜穂さんの三味線で、
田端のともさんの舞踊で、
二人は芸で評判の芸者 って役は見たいわ〜!人情物でね
高橋英樹さんが舞踊のお稽古してらしたの、数年前に知ったとこ!
主役ドラマ、いーっぱいなさったのに、もったいない!
踊りシーンを見た記憶がないから知らず・・・
時代劇のメインはチャンバラ とはいえ、
そればかりだと、時代劇=ワンパターンと思われたのは否めませんわ
踊れる役者なら踊りも見たい!
・・・ほろ酔いになると踊る「踊り上戸の桃さん」とかね!
でも、バシヒデさんの 姿の美しさ は 舞踊の稽古を続けたからこそ!
姿といえば!
吉右衛門さんの鬼平! いつ見てもスッバラシー!
歩きっぷり、立ち姿!シビレます
(多分、黒谷さんの?広い境内にて)鬼平が悪と戦うシーン
ザザザーっと走った姿、構えた姿に「うわ!すごいこの方!肚と腰!」
着物の捌きも美的でカッコ良い!
舞踊の稽古が必須な歌舞伎役者ならでは + ご自身の研究の賜物!
街での着物姿も、舞踊を積んだ人には、着付けだけ習った人には絶対に無いものがあります(当たり前と言えばそうですが)
「身体と着物の馴染み方!ステキ〜!」
着付け会の時に、わたくしをニコニコ見て、そう言わはった方がいました
その方は幼稚園の園長さん、優しい笑顔が魅力的でした
その後、何度か参加してくれはって、もっとお友達になりたい方です
日本舞踊が良家の娘の習い事だったのは、姿の訓練(体幹)にもなったから
[ 良い姿勢には 価値があります ]
初めてさん、お稽古始めませんか? 楽しいですよ〜!
一般国民の見る機会は 知る機会
TVも映画も 同じ [時代もの同士] 伝統芸能をもっと見せてほしいわね
あ!
踊れない女優を芸者のシーンに出すのはやめた方がよろしおす
扮装では ごまかせる、などと努、思いませぬよう!
稽古を積んでる人こそ!起用すべきです!
それが 日本唯一の時代劇作りの「筋」どす
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